壁画のあるグロッタ(洞窟)
課題が見出される庭園
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Updated July 08, 2006


園丁は絵を描いてみたいと思うだが、「下手の横好き」でまともに完成したこともない。本当に絵を描くのが好きなのかと言えばそうでもないような気がする。それでもやらずにはいられないことがある。今だから告白すれば、この仮想庭師が10数年前に「本物の庭師を目指して諦めた」のも、人が望むようなわかりやすい「説明画」が描けなかったからだ。そもそも立体感覚が園丁には欠如している。現代の庭師というのは、三次元の世界である庭を計画してそれを人が分かるように平面図、立面図、パースペクティブなどを通して、あらゆる角度から自分の抱いているイメージを描き、いかに自分のアイデアが「適切なもの」であるかプレゼンテーションしなければならない。この手のセンスの欠如は致命的である。こんなことを言っては叱咤されるかもしれないが、庭としてイメージしているものが「いかに正しいか」ということ以前に、絵を描くのが好きでたまらないと言うような絵描きやイラストレータがむしろ庭の計画者として成功していくように思える。勿論それがいけないなどと言おうとしているのでもない。庭園の計画がイメージのコミュニケーションであり、またビジネスである以上、計画の内容を詳細に説明できる才能を持った人がそれをやって当然で、またその方が旨く行くだろうと思う。

さて、そんな「立体感覚」と「描く技術」を欠如したこの仮想庭園の庭師が、どうして絵を描こうとするのか? 言葉の操縦に多大なる信頼を置くこの「仮想庭師」にとってさえ、それを言葉を使って説明することは難しい。しかし、それを「絵」と呼んで良いのかどうかはともかく、音楽と同様、それらを体験していただくしか説明はできないのである。ただ、体験をして「あ、なるほどそうか、分かった!」と言ってくれる人もそうはいないだろう。しかし、“園丁”が行っていることは、自分の体験を図象化しているだけであり、この世に存在する「意味の世界」を扱うものであるということには自負があると申し上げても良いと思う。というわけで、大海に釣り糸を垂らすごとく、いつ懸かるとも分からない「fishing」にいそしむのである。


食べそこねた幸運を味わう (July 7, 2006 Uploaded)
井の頭公園までの紅葉狩り。


ちょっとそこまで紅葉がろう (November 28, 2004 Uploaded)
井の頭公園までの紅葉狩り。


お手軽にスイスの湖畔気分 (November 13, 2004 Uploaded)
9月4日、I氏のクルマで連れ合いと河口湖にドライヴを。


「いずれがあやめかきつばた?」 (May 15, 2004 Uploaded)
5月13日、亜紀子が撮影。神田川沿いの黄菖蒲?の盛りを撮る。


みどりの桜に会いに行く (April 11, 2004 Uploaded)
4月11日、みどり色の桜を見に、春の日差しの中を高井戸・浜田山方面へ散策する。40になって翌日の感慨。


ソメイヨシノに誘われて (April 3, 2004 Uploaded)
ちょっと花の盛りを過ぎたと思われた頃、春の日差しに誘われて散歩に出た。


光はあれど、音はせず (December 20, 2003 Uploaded)
ある晩、園丁が仕事を終えてうちに帰ってくると、遠方西の空に眩い閃光ショーが始まっていた...(September 11, 2003)


古代神話の原色世界 (March 16, 2001 Updated)
この仮想庭園における庭師の描く、全く揺るぎなく均一な色で塗りつぶせる「お絵かきツール」による、言葉の操縦を越える試み。


Marbli Marbles (February, 2001)
美術創作については、園丁と全く違ったアプローチを採っているが、「同じ結果に逢着するかもしれない」とひそかに思っている創作家によるサイト。現在ステンドグラスの仮想ギャラリーとなっているが、これからの発展が楽しみ。サイトデザイン自体もシンプルで美しい。園丁もステンドグラスなどやってみたいと思うのだが、下手の横好きをふやすより、Marbliのような人に任せたほうが何倍も良いだろう。


机上工房“Desktop Studio”(May 28, 2001)
荻窪に“園丁”がライブパフォーマンス等で頻繁にお世話になっている、【かん芸館】というギャラリー兼小ホールがある。ホール経営者の鎌田さんに紹介され赴いたのは、とってもユニークでambitiousなパソコンとプリンタを使った作品の展覧会。これを開催していたnornorさんの仮想バージョンの作品集が楽しめるのがここ。素材集めから、それを組織化していくまでの過程に独特のヒューモアが感じられ共感するのは私だけでしょうか? 決して奇をてらったものではなくて、素材に対する愛とそれらを「持てるもの」の範囲内で工夫の上、加工し作品化する。これってあらゆる創作活動の基本ですよね。(かん芸館のウェブマスターも引き受けてらっしゃる方。ライブ情報更新でもお世話になっています。)


Piano Improvisation: IWAO MASA (August 3, 2001)
ピアノ即興者のページが、どうしてこの『壁画のあるグロッタ』にあるのか。それは見てのお楽しみ。だって、あまりにart(美術)の香り高いサイトなんですもの。互いにウェブを通じて知り合った“玄人の趣味人”のお二人が松本のどこかで経営。音も詩も絵も工芸品も何でもありの、多芸多趣味多品目で勝負しています。こんなセンスのいい本当の「マルチメディア」(←旧い死語!)なデザインの音楽家サイトも珍しい。今度よ〜く見てデザイン・テクを盗んでしまいましょう。知っている方は多いでしょうが、私は生来のまねっこ人間なんです。


山羊の木 (February 12, 2003)
「山羊の木」とはそもそも何だろう? 何か曰くがありそうだが、角の生えているまるまるとした山羊がたわわに実っている巨木が目に浮かぶ程度が、園丁の想像力の及ぶ範囲である。短歌を詠む石川美南(みな)さんと写真を撮る藤本百恵さんの共同経営する歌と写真の絶妙のコラボレーション。このお二方とは新鋭“舞踏家”の亀田欣昌さんを通してライブにて知り合う。しばしのあいだ、ディスプレイを通して藤本さんが見たきれいな「空」を眺めながら、美南さんの吸っただろう「空気」を味わってみることにしよう。


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