衒学者の回廊/園丁の今の言の葉

知っていること、知らないこと

September 14-16, 2001
 
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アメリカ合州国を襲った「同時多発テロ」の“実行犯”は、ついに合州国政府によっても「確定」されつつあるようだ(9月14日)が、それについての疑惑は一部の懐疑派の人々の間では強まりこそすれ、今回の政府の断定が、全ての人にとって、確信の域に達することは永久にないであろう。そして、このように確定できない事態は、おそらく実行した側にとってもテロの被害者の側であっても都合がよいのかもしれない。おそらく、この正式の「宣戦布告」の無い状態での、なし崩し的な戦闘状態というのが、これからわれわれが突入する新しい戦争の時代なのかもしれない。(9月16日午後11時現在)

報道されたこと
補足可能なこと(忘れがちなこと)
PFLP (Popular Front for the Liberation of Palestine) が、「犯行声明を出した」と伝えた報道機関があった

これを「報道」した機関自体は、これに関して「報道した事実がある」と報道しただけで、その録音もその内容も示されていない。しかし、PFLPのようなパレスチナ解放を目指す実力行使を厭わないグループが、別のイスラム原理主義者とつながりがないとも言いきれず、また、イスラエルを支持しつづける合州国政府へのメッセージとしての意味を持たないとも言いきれない。

上については、そのようなことはないとPFLP自体が否定している。政治的勢力を誇示し、政治的意図を理解して貰いたい側は、犯行を肯定すればいいことである。しかしこれについても、21世紀に「戦争の形態」が未曾有のもの変わっていくかもしれない中で、宣戦布告なしで見えない相手との戦闘状態に入っていく事はありうる。
テロのニュースが報じられて喜ぶパレスチナの人々の姿がCNNテレビと通じて流された。大国アメリカに不幸が起きて、喜ぶ人が犯行をしたとは限らない。“実行犯”がパレスチナ関係であることを思わせるメディア経由の発言やそれを暗示するようなテレビ報道は影を潜めている。これについては、今回の同時多発テロが、イスラエル問題と濃厚な関わりがある、という世論が噴出してくるのを押さえたいという合州国政府の思惑あるかもしれない、との意見も出されている。
合州国政府が、長期間にわたって戦闘状態にはいるとかもしれないことを暗示し始めている。相手が誰に関わらず、敵は外国の勢力であるということになっている。
オサマ・ビン・ラディンが関連していると言い始めている議員(その他の実力者)がいるということ。同議員が、「犯行直前にテロ計画を話している内容を傍受している」と言っていること。これに関しては「重大な関心」を示す人が多くいるという報道をしているだけ。14日現在では、テロ活動の実行組に指令を出しているのは、政府内でもビン・ラディンに「ほぼ確定」した模様。
これについては、16日、ビン・ラディンが正式に全面否定の声明を出す。
航空機にアラブ系の搭乗者がいた。アメリカ国内にどれだけのパーセンテージのアラブ系移民がいるのかということは、統計的に報道していない。
機内での状況を伝える携帯電話通話、操縦室内での犯行者との会話が無線で外部に漏れている、という報道機関がある「操縦室内での犯行者との会話」を伝えたのは、Christian Science Monitor 紙である。その出所ルートも会話の録音内容(録音自体)も公開されていない。
やった人がまだ特定されていないのに、「憎むべき卑劣な行為である」と対象の未決定な「敵」に対して、憎悪を表すことを決めている国が、すでにいくつかあるということ。そして、それが国家、あるいはテロリスト集団と関わる国家であるとしていること。アメリカ国内にも、いまだに多くの反政府組織が存在しており、アメリカの敵が他ならぬアメリカ国内に多くいると言うこと。
事件後、2日目にいたっていくつかの1機目の突入シーンが出てきた。 
1機目の航空機がビルに体当たりする以前から、消防隊員とWTCを撮影するTVクルーがビルのそばに待機していた。(12日ころからテレビ放映開始した映像)テロ活動が場所まで予知されていたらしい。(予告があったということについては、事件直後の報道以降誰も言わなくなった。)
2機目の突入シーンは驚くほど様々な角度で撮影されている。 
4機目の航空機の話は2日目に入っても、ほとんど報道されてない。 
4機目の航空機には、「ここ」と言った点的な“墜落現場”というものがないらしい。「空中」爆発をしているらしい。
他の3機が明確なターゲットを目指して飛んでいる一方、4機目が何を目指して飛んだのかが明らかでない。すくなくとも、メディアはそれに触れていない。追及するメディアがいない。
機内に「爆弾らしいもの」が持ち込まれていることを携帯電話で自分(肉親)に電話をしてきたという証言をする女性がテレビ報道に採りあげられ始めている。つまり「空中爆発」をした原因が機内にあったと暗示したがっている。
今回の事件で「得をする人」が誰であるのかを語るアメリカの報道機関がいない。ほかならぬ「得をする人」は、自分自身が得をすることを表明しない。
ブッシュはフロリダに、パウエル国務長官はペルーに、オニール財務大臣は日本にそれぞれいて無事だった。 
 「犯行」を疑われている、パレスチナ人やアラブ人がそのようなことをして、国際世論を味方に付ける必要のある彼らが、何ら得をしないということ。また、これらは誰もまだ話したがらないと言うこと。

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(9月16日午後11時現在)


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