衒学者の回廊/園丁の言の葉:2004

議論自体が敵を利するか?(“自問”式議論)

August 20, 2004
 
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政府や官僚が言いそうなことを私が想像して口にする(よくするらしい)と、「あんたは一体どっちの側なんだ? 権力者の側に立っているのか?」と論難されることが幾度となくある(だいたいいつも同じ人からなんだが)。

しかし、昨日の文章から想像して欲しいのだが、全然それは当たっていない。私に考えられるようなことは敵も考えてるぞ、ということなんです。だいたい本当に権力の側だったら、こんな優しい言い方はせんぞ!とかも思う。ヤツらはもっと狡い。そもそも、私の言い方を、「敵の論理だ」とか言って非難したって何の役にも立たない。「何でそういう言い方をするんだ」とか「権力者に典型的な言い方だ」とか言っても、それは泣き言に過ぎません。そういう言い方をする相手にどう対抗するかです。どうやって、そういう言い分(敵の論理)をうち破るかを考えることがもっと大事です。

その反論の方法が弱いと、私の話のトーンは一層意地悪になって、本当に「ヤツらの側にいるとしか思えない」ようなトーンになることもあります。私は敵の論理をどうやって乗り越えるかを考えるために、自分で相手の言い分を想像してみることを手始めにしているだけです。自問自答です。

私の言葉が、本当に敵を利する目的や動機で発せられているのかどうか、よく考えてから論難して下さい、これからは。

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